一昨年ぐらいから、SNSやYouTubeなどで「カヤックフィッシング」をたびたびチェックするようになっていた。
面白そうではあるが大変そうだし、何より怖そう・・・
というのが一番にあって、自分でやってみようという気にはならなかった。
ところが、昨春定年退職を迎え、再雇用契約は結んだものの仕事的には一応一区切り。
これまでのライフスタイルに何か変化をつけたいと考え始めた自分がいて、
そのタイミングで「カヤックフィッシング」のブログを目にして突然スイッチが入った。
これだっ!カヤックフィッシングをやりたいっ!
「還暦過ぎてるじいさんが、体力的に大丈夫?」
「危なくない?」と、ネガティブな自分。
「やれるのはせいぜいあと数年だから、早く始めないと間に合わなくなるよ」
「無理をしなければ大丈夫だよ」と、ポジティブな自分。
そんな自問自答をしながらも、心はすぐに決まった。
昨年8月にモンベルが販売しているライオット社のプロペラドライブタイプの足漕ぎカヤック(マコ12インパルスドライブ)を購入。
手漕ぎにするか足漕ぎにするか・・・迷いながらも、足漕ぎを選んだのは現在いろいろとお世話になっているひげじさんのアドバイスがあったから。
結果は大正解。
漕ぎながら両手が使えるというのは釣りをするうえではとても重要。
前進・後進も容易にできるから、位置取りの微調整も可能。
何より体力的にラクだし、スピードも速い。
しかしながら、昨年は台風の当たり年。
一ツ葉ビーチ辺りで経験を積んで本番デビューという目論見がままならない状況が続いたことから、我慢できずに練習デビューは野尻湖で。
波・風の影響をほとんど受けない湖での練習デビューは結果的に正解だった。
そして、ついに県南の海でシーカヤックデビューの日を迎えたものの、
カヤックの積み下ろしや釣りの準備に加え、カートを使っての水辺までの移動に相当な時間がかかってしまい、
実際に出艇できたのは現地到着後1時間半ほど経過した後だった。
※ちなみに、数回の釣行後は、カートの使用を止めた。車からカヤックを下ろすと車の近くでカートに載せて、シートや魚探などを装備してカヤックを水辺まで運んでいたが、サーフだとタイヤが沈んで重たいし、すぐにカヤックがくずれ落ちてしまい、固定ロープを何度も結び直したりするなどイライラするし時間もかかる。
なので、カヤックも装備品も海の近くまで数往復して運び、水辺で装備するスタイルにチェンジ。
こちらのほうが、イライラしないし結果的に早い。
また、車載の関係でラダーも現地で装着していたが、こちらも装着しっ放しにした。
スターン側を前にすることで、ラダーを傷つけることなく車載できるようになった。
これらの改善で、圧倒的に時間短縮ができたので、今から始める方も参考までに。
さて、話を戻して、いよいよ出艇。
ある程度の水深があるところまでパドルで漕ぐと、ラダーを下ろしてプロペラドライブをセット。
漕ぎ始めると海上は凪で風もなくスイスイ進む。
海抜ゼロメートルの世界は爽快。念願の本番デビューを果たした。
魚探で水深、地形、魚の反応などを確認しながら、まずはポイント探し。
良さげなところ見つけても上手くカヤックを操れず、なかなかピンポイントにジグを落とせない。
そうこうしているうちに風波が立ち始めて、近場にそろそろ移動かなと思い始めたところで根がかり。
カヤックの利点を活かし、前後左右に移動しながら、ラインの出し入れを繰り返していると、突然ペダルが漕げなくなり動けなくなった。
ネットで見たことがあったのですぐにピンと来た。
その前に気づけよと思ったけれど、なんせ初めての海カヤック。
プロペラにラインが巻きついてしまったのだ。
足漕ぎカヤックのペダルを漕がなければプロペラは回らない。
プロペラが回らなければ、カヤックは進まない。
幸い、200メートルほどのところに島があったので、慣れないパドルを漕いで島に向かった。
プロペラドライブはカヤックに対してプロペラを垂直にしないとはずせない構造になっていて、
ラインが絡んだプロペラはピクリとも動かずはずせないので、
装着したままの状態で、海底でプロペラをこすって破損しないようにと大汗かきながら何とか上陸。
海上と違い、真夏の太陽が照りつける中で、幾重にも絡まったラインを必死でほどいてプロペラ復活。
この間にさらに波風は強くなっており、島から最出艇して風裏の近場に移動。
なんともほろ苦い海デビューとなった。釣果はヤミハタ3匹(泣)
次の大きな試練は、デビュー後4・5回目ぐらいの県北の海での出来事。
沖まで出て海保のゴムボートが近づいてきて、質問攻めにあったのはご愛嬌として、
ポイント移動のためせっせとペダルを漕いでいると、ペダルを固定しているボルトがポロリ。
漕げない。
幸い、ボルトの水没は逃れたので、締め直そうとしたけど、六角ボルト。
当然、六角レンチなんて積んでいない。手で締めるしかないので、渾身の力で締める。
数回漕ぐと緩むのでまた手で締める。この繰り返しでようやく岸までたどり着くことができた。
それ以降は、必ず六角レンチを携行するようになった。
加えて、ボルトの締め付けは釣行前にかならずチェックするようにしていた。
なのに、数回後の釣行時にまたまたポロリ。
今度は、ボルトの緩み防止のプラ製パッキンが外れた拍子に水没。
レンチで強く締めてもすぐに緩むの繰り返しで、またまた苦労して着岸。
※その後、モンベルからボルトとパッキンを取り寄せて付け替えたら緩みがなくなった。もともと不具合があったのかも。
ちなみに、部品到着まで10日ほどかかったと思うが、それまでのつなぎは、自転車屋さんで買った自転車のペダルを締めるボルト。
ホームセンターで探しても見つからず、ペダルつながりで自転車屋をダメ元で訪問し、このようなパッキンありますかと尋ねると、これですねと一発回答。
ボルトパッキンのセットで60円。帰宅して試すとサイズもばっちり。
なので、これに関してはいつでも調達できることがわかったので、一安心
まあ、こんな苦労話もあったけれど、カヤックフィッシングを始めて約8ヶ月。
今の釣りのスタイルには大満足。
想像と期待を超える釣果。
加えて、根がかりの回収率も高い。
天候に注意しながら浮かべば基本的には大丈夫。
なので、今はこの釣りをこよなく楽しんでいる。
あと、何年できるかわからないけれど、気力・体力が続く限り楽しもうと思っている。